両方とも良性の卵巣腫瘍。
初めは20歳のとき、奇形腫という腫瘍でした。
(手塚治虫のブラックジャックという漫画のなかで、ピノコがこの奇形腫から創りだされたとされているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません)
人を創れるほどでないにしても、
腫瘍を形作っている袋の中に骨片や髪の毛が入っていることがあります。
私も見せてもらいましたが、
爪のように薄い骨らしきものと、髪の毛が2,3本入っていたようです。
たまたま月経がこなくて受診したところ、発見された7cmほどで発見され、
入院して腹腔鏡の手術で取り出してもらいました。
次の手術が25歳のとき。
もともと生理痛はひどいほうで、必ず1〜2日目には市販の鎮痛剤のお世話になっていました。
だんだんその生理が重くなり、
量もひどくなって、6年生のBSL(病院での実習)中の朝のカンファレンスが終わったあと、
大きめナプキンを当てていたのにしみ出て、白衣が真っ赤になったこともありました。
ちょうど国家試験の勉強中にはこれまでの生理痛とはなんだか違う痛みで、
まともに歩くことができないくらいになり、
国家試験の1ヶ月前くらいには量は多くないものの、あまりに生理痛とは違う痛みで、
時間外で救急外来にかかりました。
CTを撮ると8cmほどの腫瘍が見付かり、びっくり。
とったはずでなかったの?
前の先生のところにまたかかると、
今度はチョコレートのう腫といわれるもので、
子宮内膜症の一部が袋を作り、それが膨れてしまったものとのこと。
それで研修医一年目に研修と研修の間に3週間ほど休みをいただき、
手術をすることになりました。
主治医いわく、画像と血液検査だけでは、もちろん良性の可能性が高いものの、病理の検査で確定しなくては悪性のものの可能性もないわけではなく、
手術中に病理の検査に出し、もし悪性であったら、さらに大きく摘出します。
といわれて、私は、
そうであっても、とにかく一度目を覚まさせてください。
とお願いしました。
悪性の可能性が低かったので、先生はしぶしぶOKしてくれましたが、
目が覚めたらもう子供を生む可能性がゼロになっていた、では私は納得できないと思ったのです。
もちろん、悪性であればそれだけで命に関わりますから妊娠うんぬんではありませんが、
やはり女性の女性たる感覚、というのはその人だけのものですから。。。
幸い、そんな苦しい決断をする必要はなく、
気持ちよく目が覚め、無事にのう腫だけを取り出して終了したことを聞き、ほっとしました。
しかし、子宮内膜症というのはその腫瘍だけを指すものではなく、
私の場合、たまたまいろいろあるうちの一部分が大きくなってしまったのですが、
子宮や卵巣の周りのあるべきではない部分に、子宮内膜が増殖する病気ですから、
そこらじゅうで月経のたびに増えているわけで、
あちこちで炎症や癒着が生じることになります。
この癒着が曲者で、卵管の通りを悪くするなどして不妊の原因となるわけです。
術後、ぼけえっっとベッドをちょっとだけ上げて座っていると、
執刀医の先生に「せっかくはがしたんだからうつぶせに寝なさい!!」としかられ,
そこではじめて癒着について意識しました。
夫くんとは大学1年生のときからの付き合いでしたから、2度の手術を一緒に経験しました。
月経痛がひどくなっているのを目の当たりにし、あまりの痛さに救急外来へ行ったときも彼が付いていってくれました。
子宮内膜症についても、またそれが不妊のリスクを上げることも一緒に勉強し、
執刀してくださった先生と術後、一緒にお話を聞き、
子供を持ちたいと願うならば、手術後早い方がいいという結論に達しました。
それで、同期たちより一足早く結婚!
みんな、そりゃ長く付き合ってはいるものの早くない?という顔をしていましたが、
私は一浪・一留しているのでそのときでもう27歳!
ちょうど良かったといえば良かった。
夫くんは28歳で男としては少々早い?という気がしたのか、
少しばかり独身に未練があった様子ではありますが。
子宮内膜症は閉経まで治らないと言われています。
でも、とにかく可愛い息子を二人も授かったのはいろんなタイミングが良かったから、だと思います。
もちろん子宮内膜症=不妊、ではありません。
が、私のように医者でありいつ子供を持つか、を考えたときにタイミングを逃すと子供を持つことはおろか結婚もできずに終わってしまうこともありえたかもしれません。
子宮内膜症があったから、ここで子供を持とう!と決心できた。そしてそこがベストのタイミングだった。
病が宝をくれた。
今はそんなふうにも言えちゃえる喜びを夫と分け合っています。
以前に書きましたが、月経が再開したので内膜症はまた悪化する可能性がありますが、
学生の頃のわけのわからん食事や、ひどく不規則な生活を一新していますので良くなるのではないかな?
と楽観的に構えて毎月の憂鬱に備えています。

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